迷いのない大らかでのびのびとしたデザインに圧倒されます。
1904年イギリスアンティークシルバーの手鏡です。
アールヌーボー独特の自由だけれども計算された曲線が美しいです。
裏も表も狭い縁までびっしりと茎や葉がくねっています。
お花はアネモネでしょうか。
ケシの花にも似ていますが、つぼみの感じがアネモネに近いです。
なんといってもこの陰影の深さがシルバーの上品な輝きとともに生き生きとした表情を更に輝かせています。
平面にはできない躍動感を存分に発揮していますね。
今にも風に揺れそうな花が重く固い素材だなんて感動です。
刻印が鮮明に残っています。
ライオンがイギリスのスターリングシルバーを、錨がバーミンガムを、アルファベットeが年代1904年を表しています。
メーカーズマークは右端が不鮮明ですが、Thomas Hazlewood&Coのものだと思われます。
あまりにも陰影が深くて複雑な輝きのせいか傷、凹み、変色に気づきにくいですが、よく観察するとポツポツと存在します。
110年以上も愛されてきた証しではありますが、それを上回る迫力が十分残っています。
とりわけ、鏡の映り込みは静かな湖面を感じさせるほどきれいです。
分厚いヴィヴェルドガラスが使用され、ずっしりと手に重く特別感があります。
※商品以外の背景の小物は附属いたしません。
<サイズ>
・縦 約27.7cm
・横 約16cm
・重量 約590g
<色>(自然光下において)
・シルバー(主に凹んだところは、黒、茶、白、黄色の変色があります)
(パソコンの環境によっては、画像の色が実際とは異なって見える場合がありますので、参考までに説明を加えております。)
<コンディション>
・全体にキズ、凹み、変色、凹凸のコントラストの薄れがあります。
・特に裏面(鏡面ではない方)凸部には、外観をダメにするほどではないですが、シルバーの穴または破れが多数あります。画像で表記していますのは一例ですので全体の画像をよくご確認ください。
・画像でも案内していますが、ゴールドに見える箇所があり、メッキ下地ではないかと疑われましたので、乾いた布で磨いた所が2ヶ所あります。結果、下のきれいなシルバーが見えてきたのでシルバーの上に付着したものでしたが、かなり頑固で完全に落とすことはできませんでした。シルバーは磨けば元の輝きを取り戻せますが、古くて厚くなってしまったものは難しいです。
・古い鏡によくあることのようですが、鏡の中から砂のような音がサラサラとします。内部を伺うことはできません。製造段階で何かが混入したのか、内部の破損が存在するのか、不明です。今のところシルバーの凹みや破れ以外の目立った破損は表面には現れてはいません。
・鏡面はとてもきれいですが、ほんのわずか点々の腐食などが存在します。
※画像にてご確認ください。
<その他>
銀は変色しやすいため、乾いた布で磨く程度のお手入れを定期的にしています。また、強い変色が現れた場合には専用クリーナーを使用する場合もあるかもしれません。これらは輝きを維持するためのことで画像とは異なる風合いに変化していることもありますことを予めご了承ください。
<ご注意事項>
古いものには新品にはない長い間愛用されてきた証であるダメージが大なり小なり必ず存在いたします。それこそが私たちを引きつけてやまない魅力の一つでもあるのです。
それでも目につくダメージは画像と商品説明文とでできるだけ多くの情報を載せるように心がけております。しかし、特に経年劣化による細かい傷や変色などを完璧に説明することは難しく、そういったものを「味わい」としてご理解いただければと思います。
また、においにつきましてもそれぞれ材質によるものや古いもの特有のにおいがあることを予めご了承ください。
不明な点などございましたら、ご注文前にどうぞご遠慮なくメールにてお問い合わせくださいませ。